Who we are

Chikako Egashira (Director)

2001年ニューヨーク大学で国際政治学修士号を取得。ニューヨークでの新聞社勤務を経て、配偶者の仕事の都合によりアジアへ移る。東京、香港で駐在生活を送った後、ニューヨークに戻り長男を出産、その後家族で渡英。ロンドン郊外の街で長女を出産後、再びニューヨークへ戻る。家族の都合で2014年に渡印。現地の幼稚園事情を知り、新しい幼稚園の設立を決める。Japan International Academyを2017年4月に開園。2018年6月末までグルガオン在住、現在はインドを離れ、ニューヨークからJIAの運営に携わっている。

Ai Kashima (Deputy Director) 

日本での15年間の幼稚園教諭としてのキャリアを生かし、Japan International Academyの幼児教育・保育プログラムを監修・統括する。オーストラリアやフィリピンでの研修も経験しており、海外の幼児教育に対する関心も高い。広い視野をもって、日本にいることや海外にいることにかかわらず大切なことは何かを考えた保育を行なっている。

加島愛先生には、クラス担任としてではなく、運営主任という立場でJIAの保育を統括してもらっています。幅広い業務をこなしながらも、日々園児たちとたくさんふれあい、子どもたちの心の動きをよく見て寄り添うようにそれぞれの成長をサポートする姿勢がとても素敵な愛先生。(幼稚園ではファーストネームを使わせてもらっています。)園児たちに大人気なのはもちろんのこと、保護者からは大きな信頼を寄せられ、頼りになる存在として活躍しています。職員室では、インド人の先生からも彼女の持つプロ意識が非常に尊敬されており、スタッフ全員が慕うJIAの顔です。子どもたちも先生たちもMs. Aiと呼んでいます。(園長より)

The Making of Japan International Academy

JIAの立ち上げの経緯・大切にしていること

JIA園長 江頭知華子

幼児教育分野でキャリアを積んでいたわけではない私がなぜ幼稚園の立ち上げに至ったのか。それは要所要所で特別な人たちと出会い、刺激を受け、アイデアが生まれ、周りにいてくれた人たちのお陰でそのアイデアをどんどん具体化していくことができたからです。たくさんの人から支援・応援の声をいただき、何よりもチームワークがあってこそJIAを設立し、運営することができています。少し長くなりますが、どのような経緯があり、どのような思いを持ってJIAを開園するに至ったか、幼稚園を運営しているのか、少し詳しくお話したいと思います。個人的なエピソードではありますが、ご興味のある方は是非読みください。

イギリスで

初めての幼稚園との出会いは、ロンドン郊外のアスコットという街で当時2歳半だった長男が通い始めた小さなナーサリースクールでした。息子は分離不安が強く、やや育てにくい子だと感じていたので、幼稚園生活のスタートはもう少し後の方がよかったのかもしれませんが、とにかく友達を作りたくて通い始めたスクールでした。ですが、息子が幼稚園のドアのところで激しく泣きじゃくり、落ち着く様子を一向に見せなかったことから、園側からの提案でしばらくの間は私が同伴して園生活を送ることになりました。生後3ヶ月ほどだった娘を抱えての親子通園は大変でしたが、いつしかそれが私たちの日課となり、何とその後4ヶ月も続いてしまいました。毎日のように「赤ちゃんを見せて」と集まってくるイギリス人の子どもたちは可愛らしかったし、外での遊びの時間に先生たちと一緒になって子どもたちを見ているのは楽しかったです。スナックタイムには、子どもたちのスナックの準備を手伝い、配りおえたらみんなでテーブルにつき、子どもたちが食べている間に先生たちと一緒に座って紅茶をいただくのが楽しいひと時でした。入園したのが8月の終わりで、それ以来、一緒に秋のネイチャーウォークを楽しんだり、ハロウィンやディワリもお祝いしました。クリスマスはイギリスらしく伝統のクリスマスページェントを行うのですが、2歳から5歳のかなり幼い子どもたちでもちゃんと劇になっていくのが感動的でした。クリスマス明けの登園日、一人の先生の提案で「そろそろ…」と、息子を送り出すその時がきました。「お母さんが不安がっていてはだめ。今まではそれが子どもに伝わってしまっていたのよ!」と言われたことが忘れられません。そして、イギリス人のかなり年配の先生が「ここで使えるような日本語の言葉リストを作って持ってきてください。今後は私たちが日本語を少しでも理解したら息子さんも安心できるでしょう!」と言ってくださったことが心に染みました。臨機応変な対応にベテラン先生の温かみと重みのある言葉、全てが励みになり、神経質だった私がもっと周りを信頼して前向きになれたような気がしました。

アメリカで

アメリカに戻ることになったのは、母子共にいい友達ができてイギリス生活が楽しくなった矢先でした。また新しい環境でやり直すのは気が重かったのですが、夏休み中だったので、幼稚園生活を始める前に複数の幼稚園のサマースクールや親子教室に参加することができ、丁度いいトライアル期間を持つことができました。秋の新学期からは、長男も長女も近所のプレスクールに通いながら、自宅からは少し離れた場所にある日米バイリンガル幼稚園にも通いました。(日本の年少・年中に相当するアメリカのプレスクールは、週に2回、3回など当園日を選べるところがあり、特殊なケースだとは思いますが幼稚園を掛け持ちすることも可能です。年長に相当するキンダーガーテンではそれはできません。)近所のプレスクールは教会に併設された幼稚園で、保護者全員が年に3回クラスアシスタントのお手伝いをすることが義務付けられており、ここでも活動の様子をしっかり見ることができたのは大きな糧でした。アメリカらしいイベントも楽しく、園長先生も朗らかでユーモアのある素敵な方でした。日英バイリンガル幼稚園の方は、国際社会で羽ばたく大人になれるようにと、異文化理解に力を入れたカリキュラムで、ピアノ、バあイオリン、バレエやニューヨークならではのブロードウェイミュージカルレッスンなどの一流の講師陣を揃えた課外クラスも素晴らしく、充実した幼稚園生活を送ることができました。振り返ってみると、幼児の母親として一番楽しかった時期かもしれません。また、ここの園長先生はとても尊敬できる方で、JIAを設立する際もいろいろお話を聞かせていただき、多くのことを学ばせていただきました。

インドで

子供の幼稚園生活が充実していると母親も気分が上がりますし、母親がHappyだと子どもたちの心がどんどん安定して強くなっていく、そんな相乗効果を感じていた頃、またもや引越しをすることになりました。長男の卒園を間近に控えた時期にインドに移り、国をまたぐ転園は3度目になってしまいました。これまでの国に比べて一段と勝手がわからないインドでは、安心と信頼の面で間違いがない日本の幼稚園を選びました。完全な日本式幼稚園は初めてでしたし、このような手厚いケアは他にはありませんでした。インド生活の先輩である他の保護者の方々も本当に親切で、何かと不便が多いインドでは保護者同士が密に繋がりあっていられることの有り難さを強く感じました。アメリカの幼稚園のサバサバとして気楽な雰囲気の良さとはまた別の良さを味わえたことは貴重な経験でした。

ただ、よくも悪くもそこは「日本」でした。外国にいながらインドの人を「外国人」にしてしまう日本的な考え方が窮屈になることもありました。時折、園児である小さな子どもたちの口からも「インド人は…なんだよ」というような話が出ることもあり、大人のような口ぶりが可笑しくて笑えることもありましたが、まだ判断力のない子どもの口からややネガティブな発言があると、寂しくも思うのでした。我が子のルーツの半分がインドにあることから、特に気にかかったのかもしれません。「幼稚園でこんなこと言われた(ネガティブな内容)」と話してくれる長男は、日本人とインド人のハーフであるうえ、これまで人種も宗教も違う人たちに囲まれて過ごした経験から「自分は他とは違う」「みんな違って当たり前」が定着していました。ですから、どうして違いを取り立ててわざわざ冷やかしのネタにするのか、傷付くよりはむしろ疑問に思うことが多かったようです。

そういうことが何度かあり、子どもたちの無邪気でありながらも排他的な発言を、ポジティブな「気付き」の発言に変えてあげられるような環境を作っていかないといけないのでは、という気持ちが強くなりました。それに加えて、イギリスやアメリカの幼稚園で見てきたような独特の楽しい雰囲気が融合されればどんなにいいだろうと漠然と考えるようになっていました。そのようなところへ、運命的な出会いや面白いきっかけが重なり、動き出したのがJIAの立ち上げチームでした。

Japan International Academyは、我が子たちと一緒に少しユニークな幼稚園生活を経験してきた私が、母親の視点で、そして国際的な環境で生活してきた大人の視点で、今の子どもたちに何をしてあげたいか、何を伝えたいかということを考えてスタートした幼稚園です。JIA開園時に年長になった娘も、幼稚園生活最後の年をJIAで過ごすことができ、我が子の成長を片時も離れず見届けるという恵まれた体験をしました。皆さんがそのような経験をすることはできませんし、だからこそ、子どもたちの幼稚園での成長の様子は保護者の皆さんにしっかりお伝えしていきたいと思っています。

さて、JIAチームです。まず、開園前の立ち上げ準備と開園初年度を一緒に過ごした百合子先生。物怖じしない強い性格と非常に高い段取り力で、いろいろなプロジェクトを牽引してくれ、とても頼りになる存在でした。フットワークも圧倒的に軽く、私の方が後からついて行くことが多かったような気がします。とんでもないトラブルの数々を一緒に乗り越えてくれた彼女には感謝の気持ちでいっぱいです。開園二年目からは、今やJIAの顔として、園児や保護者の方々から絶大な信頼を寄せられている愛先生の活躍です。幼児教育のベテランである愛先生は、JIAの保育を確立し、さらに質を向上させるためにカリキュラムや人材養成の両面から尽力してくれています。お人柄、遊び心やユーモアのセンスは抜群で、一緒に仕事をすることが楽しくて仕方ありません。JIAでは他の幼稚園にはないユニークな活動やイベントが数多くありますが、保育理念がぶれることのないようにしながらも、柔軟にどんどん面白いことを考えるのが好きな愛先生の力があってこそだと思います。

現地の愛先生とニューヨークにいる私を支えてくれる職員もJIAならではの顔ぶれです。一昨年のダニエル先生に続き、昨年からはディシャ先生が全体の潤滑油のような存在で頑張ってくれています。おかげで、インド人の先生たちともすごくいい関係が築けていますし、コロナ禍の難しい一年をなんとか乗り越えられたのはチームワークの賜物です。今後も、現地の愛先生とディシャ先生、インド人の先生たちとのチームワーク大切にし、新しい挑戦を恐れず、面白い幼稚園であり続けたいと思っています。

長くなりましたが、こうしてJIAが出来上がり、みんなで日々、楽しむことを忘れないようにしながら運営努力をしています。クラス活動プランが出来上がるまでの先生たちの努力、インド人の先生にどうしてもわかってもらいたい日本独特の事情を説明する愛先生の苦労、意外なきっかけから生まれたイベント、日本語を陰で勉強し始めた先生・・・すべては子どもたちのために!なのですが、職員室は皆様にいつかご紹介したいような面白いストーリーが溢れています。いつか機会があればお話させてくださいね!