英語の絵本(4)

前回からかなり時間が経ってしまいました。長い夏休みの後、9月から我が家の子どもたちの学校が再開(対面授業の再開でした!)、二人の登校のスケジュールも普段と異なり、子ども以上に慣れるのに時間がかかってしまいました…。そして現地校に加えて日本語補習授業校の授業と宿題のサポート(日頃JIAオンラインクラスをサポートしてくださる保護者の皆様には感謝が深まる一方です。本当にありがとうございます。)。こちらは引き続きオンライン授業で、今の学年では対面授業の再開は残念ながらありません。インドもそうですが、学校だけでもなんとか通常に戻ってほしいものです。JIAの方も、今のところ年が明けてもまだオンラインの予定です。来年こそはみんなを幼稚園に迎え入れることができますように!

さて、今回はクリスマスの絵本を紹介します。とは言っても、もうクリスマスは今週!皆さんが本を手に取る機会がある頃にはクリスマスは終わってしまっているでしょう…。もう少し早めに出すべきでした。ですので、クリスマス本と共に、「クリスマスのお話+他のお話」もあってお勧めなシリーズものもあげておきますので、クリスマスが終わっても季節に関わりなく楽しんでいただけると嬉しいです。

The Gingerbread Man  (Illustrated by Gail Yerrill)

まずはアメリカの子どもたちが大好きなジンジャーブレッドマンです。先日、愛先生のブログにも掲載してもらいましたね!クリスマスの季節には欠かせないジンジャーブレッドクッキー、ジンジャーブレッドハウス(ハウス作りは来年こそまた幼稚園で一緒にやりましょう!)、そしてジンジャーブレッドマン。11月の感謝祭の前後からジンジャーブレッドマンの形のクッキーやクッキー型がお店に並ぶようになります。

オーブンから逃げ出したジンジャーブレッドマン、追いかけるおばあさん、おじいさん、次々に遭遇する動物たちー。昔からあるお話で、色々な絵本作家がこの絵本を手がけています。繰り返しの多い文章とお話の展開はとても馴染みやすく、小さな子どもたちが楽しめ本です。その中で、本の大きさや手にした感触、絵の感じでJIAの子どもたちにお勧めなのがこちらです。JIA図書にあるのは別版なのですが、こちらの方が個人的には好きなので、次回クリスマス前にインドに行く際には持参したいと思います。

Mog’s Christmas & The Mog Treasury (by Judith Kerr)

日本語にも翻訳されたものがある猫のモグのシリーズです。ジュディス・カー氏は私の大好きな作家なのですが、「モグ」のシリーズ以外に「おちゃのじかんにきたとら」も有名ですね!(JIA図書にもちろんあります。)昨年度、JIAの子どもの中には「絵本紹介イベント」でこの本を紹介してくれた子もいましたね。

利発・活発なタイプとは正反対の性格の猫モグですが、「わすれんぼうのモグ」では思わぬ大活躍を見せます。さて、クリスマスには何が起こるのでしょう!?

さらにお勧めなのがこちらです。モグ誕生50周年を記念して出版されたものです。全集ではないのですが、人気のある主なお話が6話入っており、モグファンには絶対お勧めです。上のクリスマスのお話も入っています。(確認したところ、日本の大手通販サイトで「在庫あり」なのですぐに入手できますよ!)

ちなみに6話は以下の通りです。

1. Mog the Forgetful Cat

2. Mog and Bunny

3. Mog’s Bad Thing

4. Mog and the Baby

5. Mog on Fox Night

6 . Mog’s Christmas

保護者の皆様、絵本について何か質問がありましたら、JIAメールの方に遠慮なくご連絡くださいね。それでは、オンラインクラスで。一緒に楽しいクリスマス、年末にしましょう!

JIA園長 江頭知華子(ニューヨークにて)

英語の絵本(3)

2020年8月21日

コロナ禍の夏休み、皆さんはどう過ごされましたか?旅行などできない状況でしたから、我が家ではスポーツや読書を楽しんでいました。「バケーションがない分、好きなだけ本を買ってもいいよ!」と言うと喜んで本を買い込む長女と見向きもしない長男、本に対してはかなり温度差がありますが(同じように小さい時から絵本を読み聞かせてきたのですが…)、おかげで子どもたちと本に向き合う時間を普段以上にとることができました。今月も紹介したい本が数冊あったのですが、迷った末、「Mixed – A Colorful Story」「Happy」の2冊を選びました。

子どもたちのための絵本の紹介に重い話は避けたいのですが、この絵本を手にとるきっかけとなったことを少しお話しますね。皆さんは今年5月、アメリカで起きた黒人男性の死亡事件についてニュースでお聞きになったでしょうか。アメリカでは、今も根強く残る人種差別問題を子どもたちにどう伝えていくべきなのか、事件以後、これまでになく議論が重ねられるようになりました。そして、そのような社会情勢が今の絵本コーナーにも反映されており、夏になって児童書・絵本コーナーで目につくようになったのは、いわゆる「マイノリティー」の子どもが主人公の本の多さです(写真参照)。「他人に対して優しくあること」や「自分はかけがいのない一人の人間なんだ」ということを訴える本も多いです。JIAの子どもたちには少し紹介しにくいものが多いなと思いながら本を見ていたのですが、その中に、白地に生える原色の「まる」が可愛い表紙の絵本を見つけました!表紙に裏切られることなく、非常にシンプルに子どもたちの心にも届くお話が描かれてます。受容や共生がテーマですが、他との違いに優劣をつけることのナンセンスさ、「違っていていい、違っているからいい」ということを子どもたちなりに汲み取れるような絵本だと思います。ちなみに、この本が出版されたのは2018年ですが、アメリカでは今だからこそ改めてそのメッセージの大切さに気づかされた人が多いのではないかと思います。もちろん、日本であろうと、インドであろうと、どんな社会であってもいつの時代であっても、Mixedは「人として大切なこと」が描かれているので、幼稚園にも置いておきたい1冊です。

そして、もう一冊は黒地に描かれた魚の絵がとても印象的な「Happy」です。つい先日のオンラインクラスで子どもたちが作った魚たちがあまりにも可愛くて頭を離れず、「魚」と言えば…と、連想ゲーム的な選択でしたが、みんなの大好きな「The Rainbow Fish(にじいろのさかな)」や「Swimmy(スイミー)」と同様に、素敵なお魚たちが登場します。ただ、ストーリーはなく、「気持ち」を表す20種類の言葉がそれぞれ一匹の魚の絵に表現されています。絵を見ながら英語の言葉に親しみ、親子で「気持ち」について会話を膨らませてみるといいかもしれません。

実はこの2冊、日本語版もありますので、「英語」よりも内容が気になる場合はもちろん日本語でも!英語や絵本翻訳にご興味のある方は日英2冊を比べてみるのもいいですね。(私は好きな絵本が日英の両言語で出版されている場合は2冊買って読み比べるのが好きです。翻訳家の方ってすごいなと感動することも多く、勉強になります!)

  1. “Mixed – A colorful story” by Arree Chung

賑やかなのが取り柄の「赤」、明るいのが取り柄の「黄」、クールが取り柄の「青」が暮らす街。みんな仲良く一緒に暮らしていたのですが、ある日突然、「赤」が「一番偉いのは赤」と言い出し…!「黄」たちは「一番明るい私たちが偉いんだ」と反論、クールな「青」たちは完全に無視。対立が深まるにつれ、それぞれが色別に別れて暮らすようになります。ところがある日、浮かない顔をした「青くん」と「黄色ちゃん」が出逢います。「黄色ちゃんと一緒にいるとすごくハッピーになるよ!」「青くんと一緒にいると、すごく落ち着く」。二人は離れられない仲(Yellow and Blue become inceparable.)になり、「違う色とは付き合うな!」という周りの反対を押し切って一緒になることに。そして「緑」が誕生します。「緑」は、黄色のように明るく、青のように落ち着きのある子で、周りからもとても可愛がられます。そうするうちに、「青と黄」に続いて、他の色同士が次第に混ざっていくようになります。街はどんどんカラフルになり・・・

スライドの写真ですが、全ページ掲載でご紹介することはできませんので、ご了承ください。赤と黄色の言い合いのシーンは、幼児や小学生にとって、日常の「あるある」ではないでしょうか!?ちなみに、こちらが日本語版です。

2. “Happy” by Mies Van Hout

上にも書きましたが、ストーリーがあるのではなく、一ページに一語、「気持ち」を表す言葉が書いてあり、魚の色や表情がとても面白いです!20種類の言葉というと、かなり多いような気がしますが、皆さんはどんな言葉が浮かびますか???英語の単語に親しむのはもちろんですが、「どんな時にこんな風に感じるかな?」「Sad, Content, Bored, Nervous….. って、どんな顔になると思う?」など、お子様とのコミュニケーションを楽しむきっかけになればもっといいと思います。海外の幼稚園では、活動でEmotionsをテーマにする時にこの絵本を使うこともありようです。

本のページをなるべくたくさんご紹介したいなと思っていたところ、Youtubeにこの絵本の読み聞かせ動画がありましたので、リンクをつけておきます。ご参考にどうぞ!

完全に余談ですが、各国語版の本の題名に違いがあり、面白いなと感じました。英語版の「Happy」に対して、日本語版は「どんなきもち?」です。気になったので、他国版を見てみたのですが、作者のミース・ヴァン・ハウトさんはオランダの方で、オランダ語版では英語のHappyに当たる言葉の「vrolijk」でした。スペイン語版も同様です。ドイツ語やフランス語版では「Today, I am…」に当たる言葉となっており、日本語版に近いタイトルですね!ちなみにイタリア語版は「気持ち・感情」に対応する言葉がストレートにそのまま題名になっていました。絵本の翻訳版が出版される時、このようにタイトル自体が変わっていることがありますが、どのようにして決められるのでしょうか!?

英語の絵本(2)

2020年7月20日

先月初めて絵本のご紹介をさせていただきましたが、あれからもうひと月!この1ヶ月間、たくさんある絵本の中から第二弾として何を紹介しようか迷いながら、夏がテーマのものやオンラインクラスで取り上げているテーマに関わるものをと思っていたのですが、結果的にテーマもテイストもばらばらの絵本を3冊選びました。この3冊はJIAの図書コーナーにも置く予定ですが、決して、是非一家に一冊!というわけではありません。(そのような本があれば、個別に紹介していきますね!)前回はアルファベットの絵本だったので、インターナショナル幼稚園に通う子どもたちであれば、どんなものでもいいので1冊は持っていてほしいという思いからご紹介しましたが、今回の3冊は、全てがお家での読み聞かせに向いているとは言えませんので、皆様の絵本に対する思いやどのように英語に触れていきたいかというお考えに合わせて、ご参考にしていただければ幸いです。

1冊目は”The Night Gardener”。 最近とても気になっていた絵本で、ネットでレビューを見て注文したのですが、期待を裏切らない、期待以上のとても素敵な絵本でした。2冊目は、時々立ち寄る大型スーパーの絵本コーナーで見つけた本で、”I need a NEW BUTT!” 。スーパーの絵本コーナーといっても意外に侮れず、ベストセラーから最近のヒット本を揃えており、これも最近の大ヒット作品なんです。ネットでもたくさんのレビューが書かれており、手にとってみて「子どもウケしそう」な絵本だと感じたので購入しました。3冊目は、私の娘のお勧めである”Should I Share My Ice Cream?” で、アメリカの子どもなら誰もが一度は読んだことのある大人気シリーズの一つです。

JIA図書用の絵本やここでご紹介していく絵本を選ぶ際、頭を悩ませるのが絵本の中に出てくる英語です。ネイティブの子どもたちに向けて書かれる英語の中には、意外と日本人の大人にとっては馴染みのないボキャブラリーやフレーズが出てくることも多く、私たち親たちが読み聞かせをするのが難しくなってしまうことがあります。(時には、あえてそういう本を選び、説明しながらご紹介するのもありかもしれませんが!)子どもたちにしても、英語の世界に飛び込んだばかりの子がほとんどですから、一つの文が長めだったり、複文だったりすると理解できません。もちろん、積極的に「生の英語」には触れさせてあげたいですし、「ネイティブの言い回し」でも、取り入れやすいものであればどんどん出していきたいです。今の段階では、必要に応じて限定的に日本語でサポートを入れながら、ストーリーに引き込まれ、同時に英語の音にも親しんでくれるのが理想だと思っています。これは、自分の子どもたちに日本語と英語の絵本を読み聞かせしてきて長い間考えてきたことですが、なかなかすっきりしない長年のテーマです。もし、英語の絵本をお子様に読んでみたことのある方がいらっしゃれば、是非、体験談をお聞かせくださいね。皆さんの声を参考にさせてもらいたいと思っています。

前置きが長くなってしまいましたが、これから一つ一つ取り上げていきます。今回は絵本に出てくる英語についても少し説明を加えました。ご参考までに!

1. “The Night Gardener” by Fan Brothers

舞台はある町のグリムロック通り。ここで不思議なことが起こり始めます。夜の間に何者かによって木々が刈り込まれ、フクロウやネコが現れるのです。次々に現れる動物に人々は大喜び。町はどんどん明るくなるようです。ある夜、グリムロック通りに住むウィリアムは、この動物たちのトピアリーを作る「夜の庭師さん」に出会います。庭師さんはウィリアムを誘って…!? そして別れる前に贈り物をします。やがて冬が訪れ、動物たちも消えてしまいますが、グリムロック通りはどうなったのでしょうか。

とにかく美しい絵本です。落ち着きのある英語で、文の持つ雰囲気と絵の雰囲気が非常にマッチしており、静かでMagicalな世界に引き込まれてしまいます。絵を見ているだけでもストーリーがわかります。私は最初の方に出てくる猫の木の絵でノックアウトでした(笑)。何度も何度も絵を見てしまいます。大人が癒される絵本だと思います!

★ Gardener

さて、子どもたちは “gardener”(庭師さんや植木屋さん)がどんな仕事をするか知っているでしょうか?住んでいる環境によってはあまり馴染みがないかもしれませんね。実はJIAにも「ガーデナーさん」はいます。植木の造形などをしているわけではありませんが、植木や裏庭の芝の水やりや手入れを定期的にしてもらっています。お庭のあるお宅では庭師さんや植木屋さんが定期的にお手入れにくるところもあるかもしれませんが、もし、公園や庭園などでよく手入れされた植え込みを見ることがありましたら話題にしてみてください!

★ Topiary  

皆さん「トピアリー」をご存知ですか?私はこの絵本をきっかけに初めてその奥深さを知りました。英語のtopiaryという言葉を目にすることはあり、何となく理解はしていたのですが、絵本の中にも出てくる言葉なので、改めて調べてみました。日本語でもトピアリーというのですね!植木を刈り込んで作る造形物で、西洋庭園で見かけるような凝ったものから、家の玄関の植え込みにあるような小規模なものまで種類は様々です。この絵本に出てくるような動物のトピアリーがある公園が実際にあるようなので、いつか行ってみたいと思います。ちなみに、日本の菊人形はフラワートピアリーとして海外でも愛好家には高く評価を受けているそうです。

2. “I need a new butt!” By Dawn McMillan 

(*イギリス版では“I need a new bum!”です。)

 ある日、自分のお尻が「割れている(got a crack)」ことに気が付いた男の子。お尻はいつ割れたんだろうと自問自答を始めます。プールの滑り台を滑った時?それとも、うちの中の階段の手すり (banister) を滑り降りた時?いや、自転車で跳ね上がっておなら(fart)をした時だ!そして、男の子は新しいおしりに付け替えなくちゃと、どんなお尻がいいかと想像をめぐらせます。カラフルなお尻、明るく派手なお尻、火にも弾丸にもびくともしない(fireproof, bulletproof) チタン(titanium)製のお尻、鎧(armor)みたいなお尻、車のバンパー(bumper)みたいなお尻…

結局、新しいお尻にすることを諦めて落ち込んでいたら、お父さんが台所のシンク下の水漏れ修理をしているところに遭遇。お父さんのズボンが腰の下の方まで下がっていて、お尻の割れ目が見えています。お尻の割れ目は感染るものだったのか!と驚く男の子…。

この場面で「あれ?今までお父さんのおしりに気付かなかったの?」と思われるかもしれませんが、考えてみると文化の違いなのでしょうか?ご存知の方もいらっしゃると思いますが、ヨーロッパやアメリカでは、大人と子どもが一緒にシャワーやお風呂に入ることはないので、お父さんやお母さんの裸を見ることがありません。だからこの男の子も他人のお尻をこれまでに見る機会がなかったようですね…。

正直に言うと少しくどいかな?という箇所もあり、JIAの子どもたちに読む時は一部を省いて読むかもしれませんが、子どもたちのくすくす笑う姿が浮かんできます。おうちで読み聞かせというよりはみんなを前にして幼稚園で読んであげたいで絵本です。英語も文章としては難しいところもありますが、ストーリー自体は単純で、絵で内容はわかりますし、Sillinessを楽しめる絵本です。ちなみに、「おしり」はアメリカ英語ではbuttですが、イギリス英語ではbumが一般的です。大人はもう少し婉曲的なbottomを使うことも多いです。

★絵本に描かれる「おしり」

実はこの絵本が店頭に置いてあるのを見て少し驚きました。アメリカでは、おしりは「プライベートパーツ」として扱いが非常にセンシティブだからです。日本では小さい子ども向けの絵本に面白おかしく描かれたり、自然に描かれたりする「おしり」や「(お母さんの)おっぱい」ですが、海外ではそれが絵本に出てくることには抵抗を持つ人も多いようです。最近では許容度が少し変わってきたかもしれませんが…。もちろん、今も昔もアメリカの子だって「おしり」は大好きですが!絵本の紹介からは話が逸れてしまいますが、海外ではプライベートパーツに対する意識が少し違うことを是非知っておいてくださいね。私は海外生活が長いせいもあって、日本独特の寛容さに少し抵抗を感じることがあります。

3. “Should I Share my Ice Cream?” By Mo Williams

アメリカの子どもなら誰もが知っている「ゾウくんとブタちゃんのシリーズ」のうちの一冊です。 漫画のような絵本ですが、子どもたちの日常にありそうな事柄をシンプルで明解な英語で愉快に描いています。「アイスクリームを分けるべき?」では、夏の暑い日にアイスクリームを買ったゾウくんが、ふと大親友のブタちゃんのことを思います。ひとりで食べてしまいたいけど、分けてあげないといけないような気もする。「ピギー(ブタちゃん)にも分けてあげようかな?」「でもこのフレーバーは嫌いかもしれないから分けなくていいや!嫌いなものをシェアするのはよくないと思う。」分けなくても罪悪感を感じないような理由を必死で探すゾウくんですが、やはり親友のことが頭を離れません。長い大葛藤の末、アイスクリームは…!? そしてそこに現れたブタちゃん!可愛らしい展開です。

★ Oh, boy! 

この表現はポジティブな場面(嬉しい、喜んでいる)で使う時とネガティブな場面で使うことがありますが、この本では「やった~!」「わ~い!」に当たります。ちなみにネガティブな使い方では、「あらら、それはちょっと…」「それは酷いなぁ・・・」と一人で呟いたり、相手の話を聞いて相槌のように言うことがあります。

★ Should I…? 

「~すべきか?」という表現ですが、非常によく使う助動詞ので、いい練習になりますね。

★ I blew it. 

「(せっかく・・・だったのに)私、台無しにしちゃった。」という意味です。このblow(動詞の変化はblow, blew, blown😉)の使い方は日本ではあまり馴染みがないでしょうか。相手に対して「You blew it!」と言うと、「アナタが台無しにしちゃったのよ!」のような感じで大喧嘩に発展しますね。例えば、It was going so well until you blew it! (あなたが台無しにするまでは、すごくうまくいっていたのに!)のような使い方をします。私は大昔、アメリカで運転免許の路上試験を受けた際、試験官に「You almost blew it.」ーもうちょっとでダメになるところだったよーと言われたことが記憶から離れません。😅 (ギリギリの合格判定でした。)

この本の良いところは、内容が愉快なだけでなく英語学習にもぴったりなところです。日常的によく使う表現やよく聞く表現がたくさん出てきますし、ストーリーは全てゾウくんとブタちゃんの会話になっているので、普段使うような自然な口語が学べます。短い文がほとんどですし、文法の面でも日本人が引っかかりやすいようなわかりにくい表現はほとんどありません。英会話教室でも教材として使われることがあるようです。この本はおうちで親子で読んでみてもいいかと思います!小学生のお子さんにもお勧めです。

以上、3冊でした。ご意見やご質問、リクエストなどありましたら幼稚園の方にご連絡ください。それでは、またオンラインクラスで!

JIA園長 江頭知華子

Message to the Parents

June 2020

新型コロナウイルス感染者数は世界的に増大する一方ですが、日本を含め、国や地域によっては行動制限や経済活動の規制の解除・緩和が進み始めました。皆様の生活にも少し変化がある頃かと思いますが、JIAファミリーの皆様がそれぞれの地で、健康に毎日を送っていらっしゃることが、不安と共に過ごす中では何よりの喜びです。どうか引き続き、感染対策に気を緩めることなく、ご無理をなさらずに毎日を過ごされることを願います。

さて、私たち幼稚園の取り組みですが、通常ならば6月と7月は夏休み期間となるところですが、このままオンラインクラスを継続していくことになりました。6月半ばからは新たに、全ての園児を対象に英語の個人レッスン及び小グループレッスンを取り入れ、インドでの幼稚園生活になるべくスムーズに戻れるよう予定を組んでいきたいと考えております。

最初は手探りで始めたオンラインクラスでしたが、2ヶ月にもなると、色々見えてくるものがあります。通常保育再開まであまり長期化しないことを願いますが、オンラインならではの利点や可能性を最大限に生かしたプログラム作りに力を注いでまいります。とはいえ、これまでのクラスもこれかのクラスも、保護者の皆様のご協力があってこそ成り立つクラスであり、本来の保育とは大きく異なります。色々な面で保護者の皆様にはご負担をおかけすることになり恐縮ですが、どうかもうしばらくお付き合いくださるようお願いいたします。これまでの皆様の暖かいご支援・ご協力には深く感謝しております。

長くなりましたが、最後にもう一度、お礼を申し上げたいと思います。

幼稚園に通えない園児たちとご家族の生活を、幼稚園として何とか支えていこうと色々な活動を考案し行ってきたつもりですが、オンライン活動を行うたびに、こちらの方が子どもたちの笑顔や保護者の皆様からのお言葉に大きく支えられているということを実感しております。「楽しかった」という言葉だけではなく、PCを通しての活動であることの難しさに「どうすればいいのでしょう」と悩みを打ち明けてくださる保護者の方々にも感謝の気持ちでいっぱいです。負担の多い中でも、共にいい時間を過ごしたいと思ってくださるそのお気持ちが何よりの励みとなっているのです。今後のオンラインクラス、保育再開後のこれからのプログラムにて、子どもたちのためにJIAでしかできない保育や活動を追求・実践していくことで、皆様に対する感謝の気持ちを少しでも示すことができれば幸いです。

インド、日本、アメリカ合衆国の3カ国をつなぐオンライン・ライブクラスという非常に特殊な状況にある種の感動はありますが、この状況が早く終わることを切に願っております。子どもたちが園舎に集える日が早く来ますように!

2020年6月10日、ニューヨークにて

JIA園長 江頭知華子

お勧めの絵本(1)

June 19, 2020

保護者の皆様、こんにちは!

コロナ感染対策でまだまだ周りとの接触を避けて生活しなければならないご家族もいらっしゃれば、日本に戻られたご家族の中には、お子様が現地の幼稚園に通園し始めたご家族もいらっしゃいますね。置かれた環境はばらばらですが、それも考慮しながらの英語プライベートレッスンが始まりました。最初のレッスンを終え、お子様たちの反応はいかがだったでしょうか?数名のお母様方からフィードバックを頂戴し、愛先生やディシャ先生からお話を聞きました。やはり、しばらく英語から離れていた分、最初は緊張したというお子さんが多かったのではないでしょうか。普段のJIAオンラインクラスで顔を合わせて声を聞いていても、先生と一対一で英語で話すとなったら事情は違って緊張しますし、すぐには思い通りに言葉(英語)が出てこないのが普通だと思います。

子どもたちはどんどん新しいことを吸収していきますが、今のような状況で、日常生活で必要度が低くなってしまった英語はどうしても忘れていってしまうのが自然です。(思い出すのは早いですが!)JIAに通園していると、平日の午前9時から午後2時まで生きた英語を聞いていることになりますから、現在の環境ではインプットの量が遥かに違います。同じようにはいきませんので、今の生活を大切にしながら、無理のない方法で英語に親しみ、プライベートレッスンで「英語をもっと話せたらいいな」「頑張ってみよう」という気持ちが芽生えたり、強くなれば嬉しく思います。

そこで皆様にお伺いしたいのですが、ご自宅(現在滞在していらっしゃる場所)に英語の絵本、アルファベットの本はお持ちでしょうか?もっと英語に馴染んでいてほしいとお考えでしたら、是非とも英語の絵本を身近に置くことをお勧めします。日本語の絵本みたいに何冊も持っている必要はありません。また、読み聞かせるのが難しいようなストーリー性の高い絵本である必要もありません。まずは文字の絵本、アルファベットの本を一冊でもいいと思います。

ですので、今回は親子で楽しめそうなアルファベットの本をいくつかご紹介します。アルファベットといっても赤ちゃんぽいものでは楽しめませんし、絵が素敵で、身近な語彙が増えるようなものがいいですよね!あくまでも参考ですので、ご興味をお持ちになりましたらアマゾンなどのサイトで検索してみてください。(日本のAmazonでも買えるものを選びました。)

⒈“Eating the Alphabet – Fruits & Vegetables from A to Z” by Lois Ehlert 

JIA図書にもある本ですが、Aはアプリコット、アーティチョーク、アボカド、アスパラガス・・・アルファベットに沿って果物と野菜がたくさん出てきます。中には聞いたことのないものもありますが、ネット検索してみてください。知識が増えます!お子様と一緒に覚えるのも楽しいです。XはXigua(中国語の西瓜)とやや無理のあるものもありますが…。

2. “Amazing Animal Alphabet” Brian Wildersmiths 

イギリスの絵本画家、ブライアン・ワイルドスミス氏(伊豆高原にワイルドスミス絵本美術館がありますね!)のアルファベット本です。Alligator, Bear, Camel, Donkey, Elephant, Fox… 動物の絵がとても素敵で、大人が癒されるほどです。私はワイルドスミス氏の絵が大好きなので、彼の絵本も数冊持っていますが、どれもお勧めです。

3. “BUG ALPHABET” by Mrs. Peanuckle’s  

Mrs. Peanuckle によるアルファベット本は何冊かありますが、これはABCに沿って虫だけが登場します。昆虫好きには嬉しいですね!A is for Ant, B is for Bumblemee, C is for Cricket… そして、それぞれの虫のページにその虫の特徴などが短い文で書かれているので、文字に加えてもう少し英語に触れることができます。他にも野菜、果物、花、木シリーズがあります。花の名前だけでAからZまで私には想像がつきませんが、お子様の興味のあるものを選んでみるのもいいですね!

4. “ABC’s for Boys” and “ABC’s for Girls” by Michael Kracht   

左は男の子の好きそうなものを集めたアルファベット本です。AはAirplane、BはBulldozer、CはCar…など。そして、右は女の子が好きそうなものを集めたもの。AはApple pie、Bは Butterfly、CはCastle… など。アメリカらしいところもありますが、絵や色使いが綺麗です!

5. “Museum ABC” by The Metropolitan Museum of Arts

    “ABCs of ART” by Sabrina Hahn    

左はニューヨークのメトロポリタン美術館が監修した本で、ABCに沿って同美術館所有のアートを見ることができます。右も同じくアルファベットとアートを同時に楽しめる本で、Aはセザンヌの林檎、Bはドガのバレリーナ… 名画鑑賞しながらAからZまで学べます!

いかがでしょうか?他にも、有名なアーティストが描いたアルファベット絵本など、たくさん面白いものがあるのですが、入手が比較的容易なものとして以上のものをあげました。

今後も機会を見ながら英語の絵本を紹介していきたいと思います。絵が愉快だったり綺麗だったりして言葉の壁を感じさせない楽しみ方ができる絵本から、少しストーリー性が高いけれど子どもたちを惹きつける絵本など、みんなが受け入れやすいものを選んでいくつもりです。

それから最後に付け加えさせてください!子どもが早く英語を話せるようになってほしいとお考えのご家庭でも、まずは日本語の絵本もたくさん読んであげてくださいね。母語のインプットは非常に大切ですし、普段聞くお母さんやお父さんの言葉で、お母さんやお父さんに読んでもらう絵本は格別だと思います。英語の方は、お子様の様子を見ながらリラックスして楽しんでいきましょう!この先、日本語であっても英語であってもいいので、子どもたちが何か一冊、大人になった時にでも思い出せるような素敵な絵本に巡り合えるいいですね!

JIA園長 江頭知華子